« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »

買い物

横浜は雨。

そういえば、あの日も雨が降っていた。

雨と風の激しい音を聞きながら紙仕事をしていたとき、携帯の音が鳴る。

「エラ danae、カラ イセ 〇〇〇イメ danae 元気 〇〇〇だよ 」

との言葉。

「えーなんとかね、仕事が忙しくて。。。問題が多くてさ。。。」

などとちょっと愚痴をこぼしながら、元気と聞くと

「実は私も問題があるんだ・・・」

おや、おや、元気はチャームポイントのひとつなお国柄、どうしたのかと尋ねると。

「パーティに着ていく服がない」

のだそうだ。

今日のパーティに今日言われてしまったそうである。

「ありがち」

だなと思うのは私だけだろうか(苦笑)

買い物に行けても、どこに何があるか、いやわかっていても、どうやって一人で買い物をする。

「サイズは?」

「色は?」

どう考えても一人で買い物に行けない、ましては風が強い雨である。

「20分でそっちにいける、駅でまってて」

山手駅まで来るという、言葉の返事である。

20分後、時間通り。

「おー時間通りだね」

そんな軽口を私はたたいた。

後の大変さをまだ知らずに・・・。

| | コメント (0)

バランス

「シック」

私は時々心にポカンと穴があいたような気持ちになることがある。

それはお客様の

「帰国」

「Hello,はじめまして!私はJ。イギリス人よ」

そう言ったJは日本では決して小さくない私が見上げた。

大きな眼に長いまつげ、量の多い髪に大きなカールが彼女の美しさを倍増させる。

男性がほっとくはずがない・・・。

だが、Jは興味がなかった。

L字のカウンタの狭い通路を皿を取りグラスを取り歩いている私と同じようにカウンターを挟み歩くJ。

「ムフ、イヤァ」

相槌しながら作業をしていると

「忙しいのは本当わかってる でもね・・・・」

と流暢な英語で話しかける。

Jは日本にあわないと思っていた。

それを日本に長く住んでいる外国人たちには言えなかった。

ある日、彼女から深夜電話がかかってきた。

不安で不安で仕方がないと・・・。

そして何が不安かわからないと。

泣くのである・・・・。

「Don't worry J. I'm here. I'm living Yamate and I'm Japanese I can help you and You are not Alone. I'm allways with you」

まるで、恋人のようである(苦笑)

そして、その日はやってくる。

帰国ま近になると回数が増える。

写真も撮る。

以前は髪をほどき、エプロンを外していたが今はそのまま。

この状態のまま、撮る。

そして、帰国した数日は私がシックにかかるのである。

| | コメント (0)

区切り

はじめてお料理をお客様に出したとき。

それは、不思議な気持ちだった。

見知らぬ人が私の作ったお料理を食べている。

今でも知らないお客様がナイフを運んでいたときの顔をはっきりと覚えているほどである。

そして、現実の厳しさを痛感するのには、さほど時間もかからなかった。

私がはっきりと覚えている顔のお客様にはもう一度会うことはなかった。

一か月店を開けて、私はすぐにお店を閉めてギリシャに一か月行ってしまった。

ギリシャに戻りたかった・・・。

また、日本に戻り、二か月が過ぎ、三か月が過ぎたころ、一回だけ言った言葉がある。

「やめたい・・・」

と・・・。

幸か不幸かそれは叶わず、パルテノンを続けた。

一年目はとても長く。

二年目は慣れないフィリピンの女の子たちと衣食住をともに働き。

三年目がたったころ、気がつくと何回もお会いする顔が増えているのに気がついた。

カランとパルテノンの小さなドアを開けるお客様の顔で

「あっ…チキンがない・・・」

と心の中でつぶやく。

4年目はあっという間に過ぎ・・・。

今年の4月末で5年目を迎える。

「5年やっちゃたぁー」

照れ隠すように無邪気に言うと、半呼吸空気が止まり

「danae5年やったんだねー」

「うちの旦那は一年もたないって言ってたんだよ」

「えらい、えらい、よくやった」

子供に戻ったような感覚におちいる。

「こんな状態のまま、終わるのは嫌だ」

2年目くらいがそんな気持ちの感情が強かった。

3年を過ぎ

「次は5年だね」

と言われた時は

「エー無理、無理」

と笑った。

今はもう2年目に抱いた感情はない。

5年目がわたしの区切りとなる。

「5年になるんです、みんなでお食事したいんです。そして、それを区切りとして、ゆっくりやっていきます」

私の宣言(^^

「そうだよ、もういいよ、ゆっくりやりなって、だってもう常連さんじゃない、まぁはじめての人が来たら驚くかもしれないけどね、私は自分の居間と思ってきてるからいいけど」

うれしい・・・。

これがしたかった・・・。

家の居間。

ようこそ、わたしとあなたの乱雑な小さい居間へ。

しょっちゅう、物を取りに外へでて皆さんを一人にさせるけど・・・。

「いませんよ、すぐに帰ってきます」

と伝言を言ってムサカを食べていてくれるけど・・・。

3組以上は今でもできないから8時でも看板をCloseにしちゃうけど・・・。

注文を取っているのはお客様だけど・・・。

お皿を片づけるのもお客様だけど・・・。

営業時間はあってないようなものだけど・・・。

こんな、私をそれでもゆるゆるやってよいと言ってくださる心の広い皆様。

お食事会楽しみにしています。

ゆるゆると今お誘いしています。

メールも電話も知りません。

今日はこんなことをお話してくださった方がいらっしゃいました。

「私はここに来るのが楽しみなんです、いつも時間に追われていて、ここにくると時間の流れが違うんですよ。おいしく料理を食べて、近くに外国の人がしゃべっていて、でも干渉はされなくて、不思議ですねぇ、その日は気持ちよく眠れるんです」

私の区切り。

ゆっくり、ゆるゆる皆さんと付き合っていくつもりである。

| | コメント (5)

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »